4つの使用例: 長距離ツイストケーブルテスト
多くのケーブル敷設専門家は、ケーブルテスターはツイストペアメタルケーブルを最大100mまで検証すればよいという誤解を抱いていることがあります。 ほとんどの2ペアおよび4ペアの802.3イーサネット規格には、確かに100メートル地点で最大距離制限があるのは事実ですが、テスターが100メートルをはるかに超えて適切なケーブル動作を検証する必要がある用途や規格は他にもたくさんあります。これには、Internet of things (IoT)、産業用IoT(IIoT)のケーブルプロジェクトや、ツイストペアメタルケーブルを介した多くの監視カメラ展開のための配線プロジェクトが含まれます。 この記事では、ケーブルテストユニットが最大1000メートルのメタルケーブルを検証する能力を備えていなければならない実際の4つの使用事例を2回に渡りご紹介してまいります。
≪ 使用例 ≫
1. インテリジェントビル制御システム
IoTの主な目的は、私たちが働く建物をよりスマートにすることです。 新しい建物には、
最初からインテリジェントな制御システムが導入されます。 古いビルにも、多くの計測・
監視・自動化する同様のシステムが導入されつつあります。 これらの技術は、電気や
機械システムのエネルギーコストをより適切に管理するために利用されるだけでなく、
これまで手作業で行っていたプロセスを自動化することも可能です。 最終的に、
インテリジェントビル制御は、HVACや照明の電力を必要なときに必要な場所で正確に
供給し、それ以外の場所ではこれらの資源を節約することができます。 問題は、多くの
インテリジェントビルの制御システムコンポーネントの多くが、大規模なビル敷地内に
分散していることです。 同時に、常時接続された通信も必要とされます。
多くの場合、数十または数百メートル離れた場所にあるビル制御コンポーネントを
接続するための長距離接続を可能にする方法として、ツイストペアメタルケーブル上の
インターフェイスの使用を活用しています。 したがって、クライアントがこの種の
インテリジェントシステムを導入し始めると、100メートルをはるかに超える
ツイストペアケーブルを敷設し、検証する必要が出てくると予想できます。
2. シングルペアイーサネット(SPE)を使用したIoTセンサー
2019年以降、エンタープライズ市場に登場する新しいIoTセンサーは数多くあります。
例えば、温度、湿度、煙、圧力、加速度、化学物質レベルなどを測定するセンサーが
あります。 センサーは、データセンターのような一定の温度・湿度レベルが
求められる場所の監視に使用できます。 その他の用途としては、センサーの近くに
ある物(人)を識別し、物または人が移動したときにアラートを送信することがあり
ます。 また、火災や一酸化炭素、化学物質の漏洩など、危険な状況が発生した
場合に、建物の居住者に迅速に警告を発することもできます。 これらのタイプの
センサーの興味深い側面の1つは、一般的な802.3イーサネットデータプロトコルが
提供する1Gbpsに近いまたはそれ以上のスループットレートを必要としない
ことです。 とはいえ、IoTセンサーの展開では、一般的な10/100/1000 BASE-Tの
距離制限である100メートルをはるかに超えるケーブル配線が必要になることが
よくあります。 そのため、多くの人が将来のIoT展開のためにシングルペア
イーサネット(SPE)に注目しています。 SPEは比較的新しい企画(IEEE 802.cg)
であり、カテゴリ5e以上のケーブルを1ペアだけ使用して、最大1000メートルの
ケーブル配線を可能にします。 ここまで延長しながら、10Mbpsのデータ転送速度を
実現することができます。
今後、IoTセンサーメーカーが自社のハードウェアにSPE企画を採用し、大規模な建物、
オフィスビル、さらには地方自治体全体への導入が容易になることが期待されます。
今回は2つの使用例をご紹介いたしました。
次回は、残る2つの使用例をご紹介してまいります。
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