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【 合/否 の境界線 】合格? 不合格? 曖昧な境界にある結果の解釈方法

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ケーブル認証テストは、設置されたケーブルが実際のネットワーク環境でアプリケーション要件を満たしていることを確認するためのものです。 テスト結果がPASS(合格)であればケーブルは適切であり、FAIL(不合格)の場合は修整が必要です。しかし、場合によってはPASSまたはFAILのいずれかの曖昧な結果が出ることがあり、その場合には慎重な解釈が求められます。

これらの曖昧な結果を理解するには、ケーブル認証テスターの精度要件を定めた標準規格を考慮する必要があります。
TIA-1152A規格では、さまざまなパラメータの精度レベルを定めており、中でも最も厳格な要件が適用されるのはCAT8ケーブル認証向けの「レベル2G」テスターです。
本記事では、特に重要な2つのパラメータであるリターンロス長さ測定精度に焦点を当てます。

レベル2Gのテスターでは、パーマネントリンクテストにおけるリターンロスの測定精度は±1.4 dB以内である必要があります。
この厳格な要件は、各ワイヤーペアに対して数千の周波数ポイントに適用され、測定値が基準値(通常はラボグレードのベクトル・ネットワーク・アナライザーによる測定値)から1.4 dBを超えて逸脱してはならないことを意味します。

そのため、かろうじて合格のケーブルは、+1.4 dBのマージンで「PASS」と報告される場合もあれば、-1.4 dBのマージンで「FAIL」と判定される場合もあり、施工業者やエンドユーザー、コンサルタントにとって結果の判断に曖昧さが生じます。

この問題に対応するため、ケーブル認証テスターはマージンが小さい結果に特別なマークを付けます。
具体的には、わずかにプラスのマージンの結果を「PASS*」、わずかにマイナスのマージンの結果を「FAIL*」と表示します。
AEM TestProはTIA-1152Aの要求を超える高い精度を提供しており、「PASS*」を+0.5 dB、「FAIL*」を-0.5 dBのマージンに設定しています。

例えば、あるケーブルのマージンが0.0 dBだった場合、「PASS*」と表示されることになります。
また、特定の周波数ポイント(例:リモートペア12の62.25 MHz)が0 dBマージンだった場合、全体の結果は「PASS*」または**「マージナルPASS」と判定されます。

TIA-1152A規格では、長さ測定の精度が規定されていますが、実際にはテスターが直接ケーブルの長さを測定しているわけではありません。テスターは、メインユニットからリモートユニットへの往復信号遅延を基に長さを算出します。この際、公称伝播速度(NVP)を使用して、長さを導き出し表示します。

TIA-1152Aによれば、長さの精度は±1mに測定長の4%の比例誤差を加えたものです。例えば、50mのケーブルでは±3mの誤差が許容されます。しかし、AEM TestPro のような最新のケーブルテスターでは、50mのケーブルに対して±1m以内という、はるかに優れた制度を提供します。

また、ケーブルの各ペアには若干の長さのばらつきがあることも重要なポイントです。テスターは最短ペアの長さを報告するため、ペアごとのばらつきやNVPへの依存度、テスターの測定精度などを考慮すると、測定された長さを材料費の算出や技術者への報酬を決定する目的に使用することはお勧めできません。

PASS* や FAIL* の結果をどのように解釈するかは、お客様の方針によって異なります。一般的なアプローチとして、以下のような方法があります。

  1. 厳格な解釈: PASS* や FAIL* をすべて不合格とみなす方法です。この保守的なアプローチでは、明確に PASS となったケーブルのみを合格とするため、品質を厳密に管理できます。
  2. カスタムリミット: 標準よりも厳しい許容範囲を設定する方法です。これにより、技術者は単純に PASS または PASS* であれば合格、それ以外は修正が必要と判断しやすくなります。
  3. 寛容な解釈: PASS* や FAIL* をいずれも合格とみなす方法です。標準仕様は、実際の運用要件(例: 10GBASE-T)よりも余裕を持って設計されているため、FAIL* であっても実際には問題なく動作する可能性があります。ただし、ケーブルは通常 5~10 年以上の長期使用を想定しているため、このアプローチを取ると将来的なリスクが高まる可能性があります。

最終的に、境界線上の結果(マージナルな結果)を解釈するための絶対的な方法は存在しません。本記事では、ニーズに基づいて適切な判断を下すための指針を提供しています。

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